念入り日記

30代プロダクトマネージャー。仕事と出張と生活の中の気付きを書き留めます。念には念を入れるんだ。

読書メモ 『うつ病九段』先崎学

nlab.itmedia.co.jp

この記事をきっかけに。Kindleで2時間くらいで読了。

3月のライオン」最新13巻に先崎さんのコラムがないことは気づいており、どうしたかなと思っていたら…

 

うつ病経験者として、病に関連する書籍はぼちぼち読んだけども、初期のどうしようもない身体の重さや思考能力の落ち具合、そこから薄皮をはぐように回復していく経過が、主観でここまで読みやすく克明に書かれた本はあまりないと思う。(家族目線はいろいろある。)

ブコメでも書いている方がいるけれど、そのわかりやすさは、「棋力」という客観的な指標があるからこそだ。 後輩とまともに指せない、小学生並みの詰将棋が解けない、平時はプロとして何手先までも読めていたのに… そこからできることを取り戻していく過程が、すなわち回復の経過となっている。

 

文筆家としての先崎さんの腕は、もちろん十二分に活かされている。リハビリ中であり、以前と比べて文の細部に違和感があるとは書いておられるが、全体的な筆力や客観性は失われていない。

辛い苦しい、どうして自分が…という感情に偏りすぎず、人とのささいな会話や生活の描写、客観的な事実、(後付けであろうとは思うが)それらからユーモアを見出す努力がバランスよく織り交ぜられており、闘病記ながらシンプルに面白い読み物なのである。精神科医の実兄のおかげもあり、「うつはこうすれば治る!」みたいな胡散臭さからも、丁寧に距離をとられている。

そもそもここまで記憶して書きとめておけるということが、棋士+文筆家としての記憶力の賜物かもしれない。私はうつ病当時の記憶がおぼろげにしか残っておらず、逆に、この読書で触発されて思い出したことがいくつかあったくらいだ。

 

棋力の描写がポイントと書いたが、詰将棋の難易度にしても、対戦相手との大まかなレベル差にしても、都度わかりやすい例えがついている。将棋にそんなに詳しくなくとも、うつ病の人の中で何が起こっているのかがわかる本として、いろいろな人が読めるのではなかろうか。というか、いち経験者からしても、多くの人に読んでほしいなと思う。 

先崎九段、復帰戦勝利おめでとうございます。

 

重さ40gのお泊りスキンケアセットを作る(登山・ロングフライト・旅行用)

私はたまに登山でテント泊をするのですが、最初のころ悩んでいたのが基礎化粧品。持っていくものは、水がなくてもメイク落としや保湿ができて、できるだけ軽くて、液漏れの心配もなくて…という、厳しい条件を満たす必要があるからです。

何回か試行錯誤をして、自分にとって、あまりストレスのないスキンケアセットのノウハウを編み出しました。1泊分で重さ約40g。

ちなみにこのセット、旅行でも役立ちます。特に活用できるのが、飛行機の長距離フライト(理由は後述)。「私、登山なんかしないし…」という方にも、役に立つかもしれません。

 

ざっくりいうと、コンビニとかによく売っている「使い切りのお泊り用スキンケアセット」を、自分に合う形で、いつでも簡単に、家でのメンテの手間もなく作ろうという話になります。 

KOSE コーセー ソフティモ 2泊おとまりセット (トラベル・旅行用) a 11袋入

KOSE コーセー ソフティモ 2泊おとまりセット (トラベル・旅行用) a 11袋入

 
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プロダクトマネージャーという仕事

久しぶりにブログを書こうかなと思いました。しばらく書いた後、仕事が忙しくなってしまい、どうもアウトプットが滞ってしまったのですが…。

怒涛のように2年ほどが過ぎ、その間にまた気づきも増えたので、ぼちぼちまた書き留めていこうかと。

 

その間、商品を作って出すということをやっていましたが、商品企画という自分の職種の名前には、どことなくしっくりこないものを感じていました。

それが、途中で「プロダクトマネージャー」という考え方を知って、そちらの方はすっと入ってきまして。だからそれ以来、自分のアイデンティティはそちらに置いています。

 

元を辿れば、自分がエンジニア時代から持っていた違和感まで行き着きます。企画書ばっかり凝って、開発中にトラブったら全部エンジニアのせいにするような企画者が、とにかく嫌いだったw

その後、会社の指示で、まさかの自分が企画職になってしまうんですけど。ただし自分でやるならあんな人にはなるまいと、企画を立てたあとの問題解決に、むしろ積極的に勤しんできました。この問題解決フェーズをきっちりやるほど、商品はよくなるという実感も次第に出てきた。最初の企画立てるのなんて仕事のうちの一握りじゃんと。

そんな時にプロダクトマネージャーの考え方を知って、「ああ、これでよかったんだな」ってすごく納得したのです。

プロダクトマネージャーはどんな仕事をしているのか - 小さなごちそう

1の記載が多いが、企画書や要件定義書を書いたら仕事が終わりだと思ったら大間違い。プロダクトマネージャーの仕事の本番は4からだと常々思っている。実装中に当初想定していなかった問題が次々と出てくる。あちらを立てればこちらが立たず的な問題を一気に解決するアイデアを考え、そして時には現実的な妥協をする。4のフェーズはこの繰り返しだ。  

 

あと、特に何度も読んでるのがこの対談ですね。プロダクトマネージャーとは、 「要は、ものを決める人」「問題を聞いて、要件を立てて、直す。で、回るようになったら次に行く」。わかりやすい行動原理として、常に指針にしています。

hrnabi.com

プロダクトマネージャーは、要はものを決める人

河合:会社によってPMはいろんな形があると思いますが、シリコンバレーでは、要は「ものを決める人」という共通の理解があります。「これ、どうしようかな」と悩んだときにとりあえず伝える人。そして、何か言ったら怒らずに決めてくれる人。エンジニアが「PMがこれでいいって言いました」って言える、そういう、「ちょうどいい人」という役割なんですよね。

河合:PMの仕事って、「その他全部」ですよね。だから、その他全部がいっぱいになってきたらどうしようっていう話ですよね。キャパシティを増やすにはやり方は二つあって、仕組みを作って誰かにやってもらうか、PMを増やすしかないです。

この四半期と次の四半期で同じことをやっていたら負けです。僕も言われてきたんですが、僕らは「チェンジエージェント」であり、変化の仕掛けを作るのが仕事。プロジェクトに入っていって、問題を聞いて、要件を立てて、直す。で、回るようになったら「じゃ、よろしく」といって次に行かなきゃいけない。定常的なルーチンのタスクになったらそれは離して、次の仕事に行かないと負けです。