念入り日記

30代企画職。出張とか英語話すとか人と会う場を設定するとか、仕事と生活の中の気付きを書き留めます。念には念を入れるんだ。

Bruce Dickinson (Iron Maiden) のインタビュー記事を全訳してみた

ミュージシャンは敬語で喋ってないのか問題 - 念入り日記

前回、英語で話す時の口調について書きました。アイアン・メイデンの元のインタビューを読んでない中で書きましたが、その時のブックマークで、アイアン・メイデンのブルース・ディッキンソンのインタビュー記事を教えてもらいました(id:cider_kondo さん、ありがとうございます)。

どんな話し方をしているのかの参考に読み始めたのですが、内容がおもろかったので、思わず全訳してしまいました(著作権的にどうなんでしょうね、まずかったら消します)。私の知識レベルは、この記事に出てくるバンドの名前を知っている〜ちょっと聴いたことがある程度なので、文脈に間違いがあったらご容赦を。

訳す時のトーンはできるだけフラットにしたつもりですが、無意識のうちに、元の話題にあったミュージシャン口調訳の影響を受けているような気も? でも、非常にシンプルな語り口調で、やはり敬語じゃない方がしっくりくる感じがしましたねえ。

 

で、何が面白かったかというと、記者が特定のアングルの意見を引き出そうとして、ちょいちょい失敗している所。ディッキンソンも最初は軽妙なトークしてますし、記者の意図的な質問はやんわり否定する程度なのですが、最後の質問には思わずブチ切れ。中途半端な終わり方してるので、ここでインタビュー打ち切られたんですかね…。

 

元記事は以下です。 リンクはできるだけ元記事のものを踏襲しましたが、リンク切れのものがあります。The Black Albumのリンク間違いも元のままで、おそらくメタリカのアルバムのことだと思います。

www.spin.com

 

Q&A:アイアン・メイデンのブルース・ディッキンソン

鉄のカーテン下での演奏、パンクであったことはない

クールなやり方は知らないが、特に気にならない」

 

多くのメタルバンドは、この世のものとは思えない場所から来た悪魔、その他の生命体について歌う。アイアン・メイデンは、本当に人間ではないかもしれない、と思わせる数少ないバンドの一つだ。

 

彼らは50代になっても1980年代の絶頂期の活気を保っており、20代のどんなバンドも、彼らのステージに恐れを抱くだろう。3人のギタリスト――エイドリアン・スミス、デイヴ・マーレイ、ヤニック・ガーズ――は、オリンピック級に、今なおその威厳とパワーをちぎれるほどにぶん回している。フロントマンのブルース・ディッキンソンは特に、毎回のショーでほとんどマラソンのように走り回っているし、その「空襲警報」は、メイデンのライブをメタル専用のトレーニング会場にしてしまうような、パワフルなボーカルを聴かせている。加えてディッキンソンは、――今までに十分語られつくし、かつ未だ感嘆するしかないが――自身の飛行機でバンドを飛ばしていると同時に、舌癌との戦いに打ち勝っている。
メイデンは16枚目のスタジオ・アルバム、「The Book of Souls」をリリースした。プログレの影響を受けた80年代後半のアルバム、「Somewhere in Time」や「Seventh Son of a Seventh Son」をさらに発展させたものだ。彼らの同期たちは、その40年のキャリアの中、18分のアルバム最終曲(ディッキンソン一人で作曲された「Empire of the Clouds」)に取り組むようなことはなかったが、アイアン・メイデンはそうではない。彼らは終わりにするなんてさらさら思っていない、全くもって「天国は待ってくれる」である。
ディッキンソンが先日、冷戦下のポーランドで演奏したこと、バンドが長続きする秘訣、そして「Souls」について、SPINに語ってくれた。

 

――しばらく、健康について少し懸念があったかと思います。そのことが、あなたに「多くのメタルヒーローもまた人間である」という事実を振り返らせたりしましたか?

うーん、今も彼らが人間じゃないと疑ったりはしてないよ。確かに、病気になって亡くなったり、年をとって亡くなっている人がいる。でももし君が27歳の時に戻ったとして――そのロックンロールにとって最も破滅的な時代を生き残ったとして――、つまり過去に戻って、オーバードーズしなかったとしても、そこでも本当にばかばかしいことの中を生き延びなければならないだろう。頭にピアノが降ってくるとか、自動車事故とか、バイクから放り出されるとか。そう思わない?

――毎回のライブで、あなたはマラソンのように走り続けているように見えます。ステージの全てを踏破している。その秘訣は何ですか? 健康法があるのですか?

ステージで動きまわったり跳んだりしている以外、特に何もしていない。ツアーの時は、ステージで何をするかだけを考えているし、それ以外の時間はゆったり過ごしている。本当にステージに大量のエネルギーを注いでいるし、そうなると、まともな休息時間が必要なんだ。休息の時にするとっておきのことといったら、すぐ走ることかな。食事に気を使ったり、飲み過ぎないようにするのも試しているところで、ビールは飲むけど、他の酒は飲まない。コーヒーはいっぱい飲んじゃうね、いやだってコーヒー好きだから。これで全部。燃えるような、ステージを跳びまわるエネルギーを貯める理由は、結局音楽のためだ。

――次のツアーは、中国とエルサルバドルでの初めての演奏になります。どういうお気持ちですか?

中国については――本当に全く行ったことがないんだ。パーフェクトで、並外れた経験になることを願っている。一番最近で、それに近いことをした経験としては、鉄のカーテンに隠されたポーランドで演奏したことかな。中国に着いたら、どんな受け入れられ方をするんだろうね。インドで初めて演奏した時に、同じような感じを受けた。どこに行っても子供に取り囲まれてね。エルサルバドルはきっと熱狂してくれるだろうと思うよ。

――ポーランドでの思い出は?

素晴らしかった。どこに行ってももみくちゃにされてね。国全体の解放運動でもしているような気分だった。華々しくて、素晴らしい体験だったね。

Iron Maiden - Behind the Iron Curtain Full - Poland 1984 [ DVD Rip] by RZN - YouTube

――メイデンの音楽が世界中に広がっていることを感じさせて、興味深いですね。

本当に、我々もすごく嬉しいし、新しいアルバムが全てのファンとの関係をより強固にしてくれると思う。特にこの4~5年で新しく入ってきてくれたファン達に。

――若い世代をメイデンに引き込む責任のようなものを感じていますか?

責任とは思っていなくて、願わくば自然に来てくれたらという、それくらいの見方かな。我々がしていることを気に入ってくれる人は、今度の新しいレコードを見つけてくれるだろう。

――長年のファンが、彼らの子供をライブに連れて来ているのも見るでしょう。

時々、君がそういう人を見かけるのかもしれないね。でもそれが起こっているとして、みんなが思うようなことじゃないと私は思っている。我々の観客は、ライブを本当にいきいきとしたものにしてくれている中心的な観客は、15歳から25歳の人たちだ。世界のほとんどの会場で、ライブの最前列にいるのは、ものすごく若いキッズ達なんだ。

――すごく重要なことですね。

わかると思うけど、バンドとして、そういった観客からフィードバックを受けることが、ステージでの自分をより高まらせてくれるんだ。ステージに立って、客が自分と同世代の人ばかりだったら、家に帰って銃で自殺するかもね。

――より大きな質問になるんじゃないかと思いますが―アイアン・メイデンは、どうしてこれだけ長く、現役でい続けられるのでしょうか?

自分たちのすることを正直にしているからだ。商業主義に迎合しないし、流行は無視する。クールなやり方は知らないが、特に気にならない。音楽について、これが全てだ。

――他の多くの有名メタルバンドと比べて、メイデンが商業的になりそうな時はありませんでしたね。「Turbo」や「The Black Album」みたいなものはなかった。そういったプレッシャーとどう戦いましたか?

ただ無視しただけだ。3~4曲のラジオ曲になるようなものがあったらレコード会社が喜んだだろうというのはわかっているけど、そういうことは起こらなかった。そういうクソみたいなことをする前に、地獄が全てを凍らせただろうけど。

幸運なことに、すごくいいマネージャーに恵まれて、彼がアーティスティックな部分にガヤガヤ言う人達の頭を引き裂いてくれた。レコード会社の人は、メイデンを始めてからずっと、ただの一度も、レコーディングスタジオに立ち入ることはなかった。近年も、経営陣であっても、レコーディングスタジオには足を踏み入れない。そうやってレコードを作ることができる、本当に満足している。まあ、そういうこと。以上。

――このレコードは特に長く、さらに先を目指しているようですが。

今までのレコードとちょっと違うように見えるが、ずっとこういう道を歩んできた。そして「Souls」に関しては、少し違うやり方でレコーディングした。リハーサルでやった音楽をスタジオに持ち込むというよりは、本当に初期段階からスタジオに泊まりこんで。そのおかげで、長めの曲を形にするのも比較的やりやすかったし、でもエネルギーや伸びやかさというのはキープしていた。もし、リハーサルであらゆる面を固めなければならなかったとしたら、いい結果にはならなかったんじゃないかと思う。

これが二枚組のアルバムであるということは、多かれ少なかれ、幸運なアクシデントのようなものだ。二枚組にすることは全く想定していなかったが、そういう風に進んだ。6曲作って思ったのは、「ここで終わりにしたくないが、CDには6曲しか入らないだろう」と。まだCD単位で考えているからだ。実のところ、我々はまだ、各面20分というアルバムの単位で考えている。折りたたまれた3枚組のビニールのアルバムを手にしたけど、これは素晴らしくてやばいね。

――最初のシングル「Speed of Light」は、まるでディープ・パープルの曲をあなたがクラシックなメイデンタッチで仕上げたら、というような雰囲気でした。何か、このレコードで過去の年月に遡ったりしたんですか?

これに限ったことではないが、バンドの全員が偉大なディープ・パープルのファンなんだ。エイドリアンがリフを書いたが、私は「Burnから出てきた音みたいだ」と思った。冒頭のイアン・ギラン風の叫びは、パープルへのオマージュだし、他のリフは「Piece of Mind」(1983年)にありそうな音だ。

――このレコードも、メイデンが常に持ち合わせている、プログレの影響を強く感じさせます。

メイデンは――スティーブが特にそうだが――ジェネシスの「Supper’s Ready」とかそういったもので育ってきた。そうだね、私もヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーターの熱烈なファンだったし、うん、同じようにドアーズ、サバス、シン・リジィジェスロ・タルも聴いてきた。我々にとっては、みな音楽の一種だし、そこに垣根はなかった。

――古いものの中には、どこかパンクなフレーバーを持ったものもありましたね。

もし君がスティーヴ・ハリスの過去の全インタビューを読むことがあったら――彼はパンクロックを毛嫌いしているからね。メイデンの最初のアルバムはクソを詰め込んだようなものだったから、パンクっぽく聞こえた。彼はそのレコードが大嫌いなんだ。最初のボーカル(ポール・ディアノ)はちょっとそれ系の雰囲気を持っていたが、でもバンドに対するパンクというレッテルは、メディアによってつけられたものだ。バンドは全くもってそれを憎んでいた。メイデンは天地神明に誓って、ほんのわずかさえも、パンクバンドであることは決してなかった。「Killers」が出てすぐに、きちんとした音のレコードだったけど、明らかに――「Killers」のどこにパンク要素があるんだ? 「Murders in the Rue Mourge」はディープ・パープルの「In Rock」にルーツがあるかもしれないとわかるだろう、「Prodigal Son」はプログレっぽい甘めのバラードだ、「Twilight Zone」もわかるよね、こういうあらゆるものが――どこにパンク的要素があるんだ? 全く理解できない。

【終】

 

すごいブチ切れ方ですが、「でもあなた、垣根はない (no segmentation) って言ってるそばから…」と笑ってしまいました。本当にパンクって言われるのイヤなんですねえ。